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2018年9月7日金曜日

その症状は「フェノール不耐症」かも?

その症状は「フェノール不耐症」かも?

果物やナッツなどを食べた後、鼻づまりや鼻炎、発疹や皮膚のトラブル、偏頭痛、耳鳴り、ぜんそく、不適切な笑い、などの症状が見られる人は、もしかするとフェノール不耐症(フェノール感受性、過敏症とも)かもしれません。

フェノールとは、植物が害虫や動物から身を守るために合成した成分であり、抗菌作用や殺虫作用、そして抗酸化作用のあるもので、主に植物の皮や種子に多く含まれます。

一般に、ヒトのような大型哺乳動物が植物のフェノールを摂取すれば、抗酸化作用など何らかの恩恵を受けることがありますが、場合によってはその副作用に悩まされることがあります。

フェノールは、六角形のベンゼン環にヒドロキシ基(-OH)がついた構造をしている芳香族化合物です。フェノールには、抗酸化成分としてよく挙げられるポリフェノールをはじめ、サリチル酸、ヒスタミンなどのアミン、グルタミン酸、他フェノール類などが代表的です。また、添加物として使用されている香料や着色料、BHAやBHTなどの防腐剤、VOC(揮発性有機化合物)もフェノール類似物質です。

基本的にフェノールを摂取すると肝臓のPST(フェノール硫黄転移酵素)という酵素によって硫酸化され水溶性にしてから、尿から排泄するという仕組みがあります。ところが、この硫酸化が上手くいかずに、フェノールが排泄されずに組織に蓄積されたままになると、悪化して上述したような症状が出てくることがあるのです。

これをフェノール不耐症(過敏症)といいます。
フェノール不耐症になると、排泄されなかったフェノールは血液脳関門を容易に通るため、種類によっては神経伝達物質の受容体やホルモンの受容体に結合してしまい、神経毒や環境ホルモン作用を引き起こしてしまうことがあります。

フェノールを代謝するこのPST酵素は遺伝的変異を受けやすく、不耐症の人は意外と多くいます。たとえば、自閉症児の80~90%にPST酵素の問題があり、硫酸塩が少なくなり、フェノール不耐症であることが多いです。

また、遺伝的変異だけが理由だけでなく、クロストリジウム属による代謝産物がこの酵素を阻害したり、水銀やクロムなどの重金属は腎臓に保持している硫酸塩をブロックしたり、カンジダ菌感染によって硫酸塩を奪われたり、PSTはビリルビンの分解の方に浪費されていたり、ビタミンB6がPSTを阻害してしまったり、とさまざまです。

フェノール不耐症の場合、まずはフェノール除去食にする必要がありますが、フェノール類はあらゆる食品に含まれているため、食事から完全に排除することは不可能です。たとえば、ビタミンC、K、E、B1、B2、ナイアシン、B6、葉酸などこれらでさえもフェノール類です。

そのため、フェノール不耐症の人は、まずはフェノールが高密度に含まれた食品から避けていきます。(不思議なことに、フェノール不耐症の人はフェノール類、サリチル酸、フェノール性添加物を多く欲しがる。グルテン不耐の人がグルテン食品を欲しがるように。)

フェノールの一種、サリチル酸塩を除去する低サリチル酸塩食やフェインゴールド・ダイエットというのも欧米にはあります。サリチル酸は非ステロイド性抗炎症薬のアスピリンと構造が類似しており、鎮痛や解熱作用などがありますが、これが排泄されずに蓄積されてしまうと、アセチルコリンやノルエピネフリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の産生を妨げ、中枢神経系を刺激するることがあります。

サリチル酸に対する不耐症は、低PSTや硫酸化の問題だけでなく、グルタチオンという抗酸化酵素の欠乏に密接に関係しています。酸化ストレスが多く、グルタチオンレベルが低いと、サリチル酸感受性のリスクが高くなるのです。また、消化器系に細菌の異常繁殖や消化吸収の問題を抱えていると、いわゆるリーキーガット(腸漏れ)を起こし、これによってサリチル酸不耐を発症することもあります。

MSGや味の素などと呼ばれるグルタミン酸ナトリウムもケミカルフェノール性のグルタミン酸塩です。過剰なグルタミン酸塩が脳に届くと、神経毒となりえます。

アミンもフェノールであり、ヒスタミンはよく知られたアミンの一種です。サラミ、ベーコン、ヨーグルト、チョコレート、バナナなども高ヒスタミン商品です。

不耐となるのは、フェノール類やサリチル酸の硫酸化が上手くいっていないのだから、硫酸塩を含んだ食品や栄養素、硫黄含有食品を摂取していけば、感受性も軽減できるはずだとする医者もいます。

しかし、硫酸イオンは経口や腸からの吸収が困難のため、入浴によってエプソムソルト(硫酸マグネシウム)を経皮吸収させることによって、硫酸化を促進させようとする試みもあります。実際に報告では、多くの自閉症児に効果があったとする恩恵があったものの、一部ではかえって悪化するケースもありました。硫黄の多いシステイン補給や硫黄含有食品(ニンニク、卵、ブロッコリーなど)においても、同様に成功した例と悪化したと言う例が混在しています。この混在は、硫黄転移経路で必要なCBSという酵素に遺伝子変異があると正常な代謝が進まずに悪化するということも考えられます。

※ちなみに、慢性関節リウマチなどは硫酸塩欠乏が指摘されていることから、温泉療法によって硫酸塩を経皮吸収させ、回復させるのはこうした理由です。

そもそも、フェノール不耐となってしまう理由の一つ、硫酸塩の欠乏はミトコンドリアの機能不全も関係しています。腎臓における硫酸塩の再吸収はATPというエネルギーを利用するため、ミトコンドリアの機能が働いていないとATPが十分に合成されないからです。

また、硫酸化経路は遺伝子の発現に関わるメチレーション回路の下流にあるため、正常なメチレーションをサポートしていくことが鍵となるでしょう。

硫酸塩が欠乏していると、腸内のムチン・タンパク質が硫酸化されなくなるため、バリア機能が低下し、腸漏れを引き起こすため、フェノール不耐症を悪化させます。

最近、話を聞くとどうもフェノール不耐症(感受性)が疑われる人が増えています。あなたのその症状もしかするとフェノール不耐症かもしれません。

以上、参考にしてみてください。

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